Nuxt.jsの特徴やメリット

Nuxt.jsは、2017年以降急速に普及しているVue.jsのフレームワークです。Vue.jsがフロントエンド向けのJavascriptフレームワークであるのに対し、Nuxt.jsはサーバサイドレンダリングなど、Webアプリケーション開発に必要な機能が組み込まれています。今回は、Nuxt.jsの特徴や使い方、メリットについて詳しく紹介します。

Nuxt.jsの概要

Nuxt.jsはVue.jsをより効率的に、使いやすくするために作られました。Vue.jsは基本的にクライアント側でのアプリケーション開発を目的としたフレームワークであり、サーバ側でレンダリングを行うサーバサイドレンダリング(以下、SSR)に対応していません。それを補う形で開発されたのがNuxt.jsです。

 

Nuxt.jsの特徴

Nuxt.jsの特徴や、利用することで得られるメリットについて解説します。

Nuxt.jsの3つのモード

Nuxt.jsでは以下の3つのモードを選択できます。

Universalモード

UniversalモードではSSRを行います。SSRとはJavaScriptをサーバ内で実行し、HTMLを生成する仕組みです。処理スピードを上げることができ、利便性が向上します。

SPAモード

SPA(シングルページアプリケーション)は、単一のWebページで構成されたサイトを指し、同一ページ内でコンテンツのみを切り替えます。メリットはサーバとの通信を最低限に抑えられ、ページ遷移のスピードが速いことです。

一方で、最初にすべてのページを読み込むため初期ロードが遅いというデメリットもあります。先に紹介したSSRでは、サーバ側でHTMLを生成するため、このデメリットを解消します。

Generateモード

Generateモードでは静的なページを生成できます。訪問者によって表示を切り替える必要のない、更新の少ないコーポレートサイトやブログなどでよく採用されています。SSRなどに比べて軽量でデータベースも必要ないため、運用が簡単なことがメリットです。

Nuxt.jsのメリット

Nuxt.jsを利用することで得られるメリットについて解説します。

SSRの実装

SSRのメリットについては先に少し紹介しましたが、ほかにもたくさんあります。たとえばSSRは予めサーバー側でレンダリングされることによりページの読み込みが速いため、SEOに強いとされています。

ページの読み込みが速いサイトはセッション時間やサイトの直帰率などのユーザー指標が改善されるため、Googleは優先的に高い検索順位を与えるからです。

重い処理をサーバー側で対応するため、ユーザーの端末のスペック(メモリなど)を意識しなくても良い点もメリットです。またSSRはコードで表現できる自由度が高く、柔軟な開発ができます。

 3つのモードを柔軟に使い分けられる

先に紹介したUniversalモード、SPAモード、Generateモードにはそれぞれ適性やメリットがあります。作りたいサイトやアプリケーションによって使い分け、柔軟に設計できます。

 ページURLの生成が簡単

Vue.jsではルーティングを設定してURLを指定する必要がありました。Nuxt.jsではpagesというディレクトリ内の構造に従って、自動的にルーティングが設定されます

たとえばpagesディレクトリの中に「sample.vue」というファイルを作ると、「ドメイン名/sample」というURLが生成されます。Vue.jsと比較してルーティングの設定が非常に簡単になっています。

通信速度が速い

Nuxt.jsは容量が57KBほどで、非常に軽量です。Nuxt.jsを導入しても動作が重くなることはほとんどなく、ユーザーがストレスを感じずに使用できます。

PWAへの対応

PWAとは「Progressive Web Apps」の略です。PWAを導入することでWebブラウザで動作するWebアプリケーションであっても、プッシュ通知やホーム画面へのアイコン追加などスマホアプリのような機能を実装できます。Nuxt.jsにはPWAのモジュールがあるため、インストールすることで簡単にPWAへの対応ができます。

日本語のドキュメントが充実している

Nuxt.jsは日本語のドキュメントが充実しています。Nuxt.jsの公式サイトも、もとになっているVue.jsの公式サイトも日本語に対応しています。ほかのフレームワークと比較しても、特に学習しやすい環境といえるでしょう。誰でも簡単に導入ができ、つまづいたらすぐに解決策を探すことができます。

Nuxt.jsの環境構築

Nuxt.jsの環境構築方法について解説します。

Node.jsのインストール

前提条件として、Nuxt.jsを動かすために必要な開発環境であるNode.jsを事前にインストールします。Node.jsをインストールすることにより、npmコマンドを使用することができます。

Windowsを使用する場合は、Node.js公式サイトのダウンロードページからWindowsのLTS(推奨版)をダウンロードします。ダウンロードしたインストーラーを起動し、インストールしましょう。

(参照:ダウンロード | Node.js

 

Macを使用する場合も同様にNode.js公式サイトのダウンロードページからMacOSのLTSをダウンロードし、インストールします。

(参照:ダウンロード | Node.js

 

Nuxt.jsのプロジェクト作成

1. Windowsの場合はコマンドプロンプト、Macの場合はターミナルを起動します。

 

2. cdコマンドでプロジェクトを作成したいディレクトリに移動します。。

 

3. 以下のコマンドを実行します。

「npx create-nuxt-app プロジェクト名」

4. コマンド実行後に表示されるいくつかの質問に応えながら設定を追加します。

 ・パッケージマネージャー

 ・プログラミング言語

 ・UIフレームワーク

 ・サーバーフレームワーク

 ・追加するモジュール

 ・コードのチェックツール

 ・動作テストのフレームワーク

 ・Nuxt.jsのモード

これらはあとから編集・追加することもできます。

5. 質問が完了すると、回答に沿ったインストールが実行されます。インストールが完了したら対象のディレクトリに移動すれば、通常通り使用できます。

まとめ

今回はNuxt.jsの特徴やメリット、環境構築の方法について解説しました。

Nuxt.jsはVue.jsの弱点であるSSRへの対応やルーティングの自動生成など、Webアプリケーション開発を効率化するメリットがたくさんあります。また、モードの使い分けによって幅広いアプリやサイトの制作に対応できます。

日本語の情報も多く、Vue.jsと同様に学習しやすいことも魅力です。Web開発業務の効率化を目指して、Nuxt.jsの習得を検討してみてはいかがでしょうか。